【食育特集】食を通して子どもの生きる力を育てよう(前編)

2018年08月08日 子育て 就学前の学び 小学生の学び

「食べることは生きることの基本」という本多京子先生。NPO法人日本食育協会の理事を務め、子どもの食と栄養に関するさまざまな指導も行っています。子育て家庭ではどのように食育に取り組んでいくとよいのか、お話を聞きました。栄養バランスのとれた食事作りにすぐに役立つコツもご紹介します。

(記事:学研エデュケーショナル教育情報新聞「みどりのなかま」 2018年6月号)


朝ごはんには体温を上げる作用がある

朝ごはんには体温を上げる作用がある

食育では、何を食べさせるかよりも、いつ食べるかが大事です。子どもにとっていちばん大事なのは朝ごはん。子どもにはしっかり朝ごはんを食べさせてから学校や幼稚園・保育園に送り出してください。朝ごはんは学校や園での活動に必要とされる集中力、持続力や学習意欲といった学力の源になりますし、食べないと体温が上がらないので脳が活動しません。

人間は、夜、眠っている間に体温が下がります。朝起きて、朝ごはんを食べることで体温が上がります。これを食事性体熱産生( または食事誘発性熱産生)といいますが、食物の消化・吸収などでエネルギーを消費する際に「熱」が作り出され、体温が上がるのです。その結果、脳が活性化され、学習面にもよい影響を与えることがわかっています。さらに、朝早く起きて、ちゃんと朝ごはんを食べることで自律神経を整える効果もあります。

では、朝ごはんに何を食べたらよいのでしょうか。それには、①水分 ②糖質 ③たんぱく質 ④野菜の4つの要素を満たすようにしましょう。

①水分 ②糖質 ③たんぱく質④野菜の4つの要素

睡眠中に失われた水分を補給するために、みそ汁やスープを用意します。忙しいときは、牛乳や野菜ジュースでもいいでしょう。脳のエネルギー源は糖質なので、ごはんやパンは不可欠です。体温を上げるのにもっとも効果的な栄養素はたんぱく質です。ごはんにはたんぱく質が豊富な納豆を、パン食だったらチーズや卵を添えます。エネルギー源を燃やすのに必要なのがビタミン群ですから、野菜もつけ加えましょう。ゆでたブロッコリーや洗ったミニトマトを添えるだけでも構いません。時間のあるときに野菜のスープを作り置きしておくというのも手です。


おやつは甘い物同士を組み合わせない

子どものおやつは、〝だらだら食い〞に注意しましょう。学校から帰ってきて、だらだらとおやつを食べていると、お腹がいっぱいになり過ぎて夕食がないがしろになってしまうおそれがあります。おやつが食事の一部といえるのは幼児さんまでです。小学生ならおやつは1日1回、時間を決めて食べるようにしましょう。

おやつを食べるときに気をつけてほしいことは〝甘い食べ物と甘い飲み物を組み合わせない〞こと。おやつがケーキだったら、甘くない麦茶を組み合わせる、おせんべいを食べるときは甘い飲み物でもいいといった、組み合わせに気をつけましょう。甘い物同士を組み合わせたおやつばかり食べていると、糖分やカロリーの摂り過ぎになります。

おやつは甘い物同士を組み合わせない


野菜嫌いの子には、炒め物など加熱調理で工夫を

子どもが野菜嫌いになる理由の一つとして考えられるのが、野菜の苦味やえぐみです。子どもは大人より味覚が敏感なので、ピーマンのような野菜の苦味やえぐみを嫌がります。ですが、ピーマンが苦手なら無理して食べさせる必要はありません。パプリカやにんじん、ほうれん草などのほかの野菜を食べることでピーマンと同じ栄養を補うこともできます。サラダなどの生食だと、苦味やえぐみを強く感じるので、野菜は加熱調理をしてはいかがでしょうか。炒め物や、スープなどの煮込み料理にすると食べやすくなる場合もあるので試してみてください。

また野菜を子どもが好きなハムや卵と組み合わせるのもよい方法です。野菜を卵炒めにしたり、バターをプラスして旨みを加えたりすると、野菜の苦味やえぐみが抑えられて食べやすくなります。


正しい箸の使い方を教えれば魚嫌いも解消できる

正しい箸の使い方を教えれば魚嫌いも解消できる

「魚は食べにくいから嫌い」という子どもも増えています。それは、保護者が正しい箸の使い方を教えていないことも原因の一つだと思います。昔は魚を食べるとき、親が子どもに箸で〝鯛の鯛〞(※)を探させたのをご存じでしょうか。そうやって箸の使い方を身につけ、同時に魚の命をいただいているということを教えていました。そんな体験を通して子どもがストレスなく、すすんで箸を持って食べるようになれば、魚もきれいに食べられるようになり、魚のおいしさに気づくでしょう。

箸を上手に使うには、私は、鉛筆が正しく持てるかどうかも関係していると考えています。箸の持ち方と鉛筆の持ち方には、通じる部分があります。幼児のうちから鉛筆を正しく持てるよう、線を引く練習などをするのは効果的です。鉛筆を正しく持てるようになると、自然と箸も正しく使えるようになると思います。

※鯛の鯛=魚の骨の一部のこと。形が鯛の姿に似ているため、「鯛の中にある鯛」という意味で「鯛の鯛」と呼ばれる。


家庭でできる食育についてはこちらから

食を通して子どもの生きる力を育てよう(後編)


(撮影/田辺エリ イラスト/ホソクボオモチャ)


  • 医学博士・管理栄養士 本多京子先生

    医学博士・管理栄養士 本多京子先生

    NPO法人日本食育協会理事。実践女子大学家政学部食物学科卒業後、早稲田大学教育学部体育生理学教室研究員を経て、東京医科大学で医学博士号を取得。プロ野球のほか各種スポーツ選手の栄養指導も担当。日本体育大学児童スポーツ教育学部では「子どもの食と栄養」を指導。

  • 【本多京子先生の著書】

    【本多京子先生の著書】

    図解でわかる! からだにいい食事と栄養の教科書(永岡書店 1,600円・税別)

    1日に何をどれだけ食べればいいのか、栄養バランスのよい食事とは何か、健康な体を作るために知っておきたい5大栄養素の特徴や働き、上手に摂取するためのコツなどを図解でわかりやすく解説。年代別に何をどれだけ食べればいいのかの目安などもあわせて紹介しています。

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