今、教育界で話題! お子さまの「非認知能力」の育み方(前編)

2018年07月24日 小学生の学び 就学前の学び 子育て

2020年度より新しい学習指導要領が小学校から順次全面実施となります(※1)。今回の改訂ポイントと大きく関わるのが、今、注目されている「非認知能力」です。非認知能力とは何かご存じでしょうか? 学研教室では創設時から、非認知能力に関することを理念や指導方針の中でうたっています。学研エデュケーショナルの教務部で教材編集にたずさわり、最先端の教育情報にくわしい田中麻依子室長にお話を聞きました。

(記事:学研エデュケーショナル教育情報新聞「みどりのなかま」 2018年4月号)

  • 1 2020年度に小学校、2021年度に中学校で全面実施。


新学習指導要領の中で重視されている「人との関わり」

新学習指導要領の中で重視されている「人との関わり」

2020年度より全面実施となる新しい学習指導要領では「前文」が新たに設けられました。そこでは、多様な人々と協働する、持続可能な社会の創り手になる、他者を価値ある存在として尊重するなど、「人との関わり」が重視され、「社会に開かれた教育課程」を目指すとうたわれています。そして、「学びに向かう力、人間性の涵養(かんよう ※2)」が必要であるとされて、「主体的・対話的で深い学び」がキーワードになっている点が注目ポイントといえます。

  • 2 涵養とは水が自然に染み込むように、無理をしないでゆっくりと養い育てること。


人と関わりながら、社会の中で生きていくために

では、「主体的・対話的で深い学び」に向けて、これからの時代、子どもたちはどんな力を身につけていけばよいのでしょうか。そこで最近、話題になっているのが「非認知能力」です。

たとえば、読み書きや計算ができるといった学力、知能検査で測れる力を「認知能力」と呼ぶ一方で、忍耐力や自制心、目標に向けてがんばる力や人と関わる力などの幅広い能力を「非認知能力」と呼んでいます。この非認知能力は、子どもが将来、生きていく力の支えになるとして、今、世界的にも注目を集めているのです。

(参考)非認知能力とは、こんな力を指します
自己認識

 自分に対する自信がある、やり抜く力がある

意欲

 やる気がある、意欲的である

忍耐力

 ねばり強い、根気がある

自制心

 自制心がある、意志が強い、精神力が強い

メタ認知ストラテジー

 理解度を把握する、自分の状況を把握する

社会的適正

 リーダーシップがある、社会性がある

回復力と対処能力

 すぐに立ち直れる、うまく対応する

創造性

 創造性に富む、工夫する

(参考):Gutman,L.M.,&Schoon,I.(2013). The impact of non-cognitive skills on outcomes for young people.Education Endowment Foundation をもとに作成。


学研教室では非認知能力を育てることも大切にしています

学研教室では、38年前の創設時から、学力の定着を図るだけでなく、これらの非認知能力に相当する力を育てることを理念と指導方針の中でうたっています。たとえば、学研教室の指導方針である「自学自習」には、お子さまが一人で教材に取り組み、最後まで自分の力でやり抜くことで忍耐力や目標を達成する意欲を養うという意図があり、これはまさに非認知能力育成の基盤です。幼児でも、たとえば教材の「色をぬる」という過程の中で“ていねいに行う”ことを通して、根気ややり抜く力を育むことができるのです。


「靴をそろえる」「挨拶をする」から指導しています

学研教室では、勉強以前に大切ともいえる次のような指導も行っています。

  • 自分の身の回りのことができる
  • 教室ルールを身につける

たとえば、教室に入るときに靴をそろえる、きちんと挨拶をして入室する……などから指導します。これは「まず、学習のスタートラインに立つ」、つまり学習に向かう姿勢作りが大切であり、自学自習の第一歩であると考えているからです。


スモールステップで「できた」という達成感を持たせる

スモールステップで「できた」という達成感を持たせる

とくに、幼児や小学校低学年のお子さまに対しては、教材での学習と同じように“スモールステップ”での声かけが有効です。「靴をそろえて、次は上着をかけて、宿題を出して……。」といっぺんにいろいろなことを言っても行動に移せません。ですから、そのタイミングで、一つのことだけを言ってあげます。靴を脱いだときに「靴はそろえた?」と確認していきます。

靴のそろえ方がわからないお子さまには、「右と左の靴を『こんにちは』しようね。」と具体的にやり方を見せて、次はお子さま自身が実際にやってみる。うまくできたら「よくできたね」とほめて達成感を持たせる。このスモールステップは学習にも通じます。「できた」という達成感、そこから感じる喜びやできたという自信が、学びを通して「生きる力」につながるというわけです。


家庭でできる非認知能力を伸ばす習慣については後編にて


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